専門ドクターに聞く【デンタルチームジャパン】歯の根っこを作る治療だから周囲の健康な歯を傷めない
近年よく聞くようになった「インプラント」・「不正咬合」について、【デンタルチームジャパン】金山 健夫 先生と藤本 純 先生にお話を伺いました。
もしあなたの歯が1本なくなってしまったら?
歯周病で悩んでいるけれどどうにか歯を治したいなら?
最新機器と先端を行く再生医療、あなたの歯の治療の可能性は広がるかもしれません。
ほかの健康な歯に負担をかけず天然歯のような感覚で噛める
金山先生:インプラントとは人工物を埋め込むという意味です。乳がんの手術で乳房再建のために埋め込むシリコンや人工股関節のこともインプラントと呼ばれています。私たちが取り組むのは、虫歯や歯周病、事故などで失った歯の代わりに人工の歯を埋め込み、機能を回復させるデンタル・インプラントです(以降インプラントと表記)。
インプラントは3つの構造体でできています。まず顎の骨に埋め込むネジ状の「人工歯根」。この部分はチタン製で、1950年代にチタンと骨が結合するという発見がなされてから、その技術は各医療分野で飛躍的に進歩し続けています。そして私たちが物を噛んだり、審美的に重要でもある白い歯の部分が「人工歯」で、廉価なメタルボンドだけでなくセラミックやジルコニアなど自身の希望に合った素材を選ぶことができます。そしてこの2つの部位を結合する「アバットメント」という仕組みで、これらが完璧に機能することで失われた歯の代わりになります。
天然歯とほぼ同じような感覚と見た目で、半永久的に使えるインプラントですが、外科手術が必要というその大掛かりなイメージに治療を迷う方もおられます。しかし、インプラントには他の治療にない大きなメリットがあります。
例えば「ブリッジ」の場合、保険が効くので安く、短時間での治療が可能ですが、隣の健康な歯を削ることで、大きな負担をかけてしまいます。「入れ歯」は保険治療もでき、ブリッジのように周囲の歯を削ることはありませんがバネにより周囲の歯に負担をかけ、咀嚼力の弱さもネックとなります。その点、インプラントは手術が必要で自由診療ではありますが、見た目も天然歯のように自然かつ「根を作る治療」なので、せっかく健康である隣の歯に無駄な負担をかけることもありません。
また、歯周病などで歯茎や骨の状態が著しく悪い方でも、骨再生治療や人工歯肉を使っての治療が可能です。どんなに口腔状態が悪くても新たな歯で噛む治療ができるのがインプラントなのです。
最新医療で憧れの歯に。噛めるありがたみを感じて
金山先生:治療はまず歯茎や顎の骨の状態を健康にすることから始めます。歯周病などで骨がダメージを受けている場合、昔は自家骨移植といって腰骨を移植する大変な手術でしたが、今は自分の血液から骨の成分を作ったり、それでも足りない場合は人工骨を使うなどの選択肢があります。
人工歯根部分の埋入手術は当院の場合日帰りで、1本につき15分ほどで済みます。チタンと骨がくっつくまでに2ヵ月かかりますが、その間は特に通院も必要なく、いつもの生活で構いません。その後人工歯を作りますが、当院は型取りではなくレーザーを使った口腔内スキャンを使い、患者さんへの負担を少なくしています。それらを調整して治療が完了するまでに健康な方なら3ヵ月ほどです。
インプラントだからと慢心せず、その後の口腔ケアをしっかりすることも大切です。術後の定期検診も怠らず、年を重ねてもしっかり噛んで食べられることのありがたさを感じていただきたいですね。
八重歯も不正咬合の一種。些細な癖が歯並びを変える
藤本先生:不正咬合とは上顎前突や空隙歯列などさまざまな種類がありますが、主に乱ぐい歯とも言われる歯並びがガタガタな「叢生」が日本人に最も多く、八重歯もそれにあたります。
現代人はどんどん顎が小さくなっていると言われていますが、その顎と歯の大きさのバランスが合わずに叢生が起こります。ほかにも少数ではありますが乳歯が生えたまま残ることで後から生える歯の場所が狂うことも。さらに、頬杖をつく、舌でいじる、寝相、口呼吸などの後天的な外的要因で起こることも。特に口呼吸の人は唾液が少なく虫歯になりやすいと言われていますので、耳鼻科でその要因を治療することも歯の健康に繋がります。治療はブラケットとワイヤーと言われる金属を歯にかけるおなじみの矯正方法がメインで、数年かけて歯を動かします。ほかにはマウスピース矯正や歯の裏側にワイヤーを掛ける方法など、希望に合った法での治療が可能です。
金山 健夫 先生
長野県出身。北海道大学歯学部卒業。国立がん研究センター中央病院、名古屋市立大学口腔外科などで研鑽を重ね、2016 年より現職。多くの研究発表で常に最新の技術を学び磨き続けるのが信条。セミナー講師としても活躍。
藤本 純 先生
大阪府出身。鹿児島大学歯学部卒業。同大学で小児歯科などを学んだ後、大阪の歯科クリニックにて経験と技術を磨き2015 年に「博多歯科医院」へ。2018 年院長就任。「よく噛め、おいしく食事がとれる大切さ」を伝える。
企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局
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