専門ドクターに聞く【福田眼科病院】網膜剥離
網膜剥離について【福田眼科病院】江島 哲至 先生にお話を伺いました。
予防法がない網膜剥離。早期発見が大切です
網膜はカメラでいうとフィルム部分にあたる膜で、眼底にあり視神経に直接つながっています。その網膜が内側に剥がれ、落ちてしまった状態が網膜剥離です。
原因は3つありますが、最も一般的なものは、網膜に破れめができて起こる裂孔原性の網膜剥離です。これになりやすいのは、強度近視の方や、ご家族に網膜剥離の病歴があるような方です。また、20代後半と60代に発症することが多いので、該当
する年代の方も要注意です。
網膜剥離は生理的な要因で起こる場合がほとんどで、気をつけようがなく、無症状のまま進行するケースも多い病気です。自覚できる初期症状としては、目の前にゴミのようなものが見える「飛蚊症」や、キラッとした光が見える「光視症」があります。こうした症状があれば眼底検査を受けるようにしましょう。裂孔が開いているだけの初期段階であれば、レーザー治療をすることができます。進行するとやがて視野欠損や視力の低下が現れはじめ、そのまま手術をせず放置すると失明に至ることも
あります。
進行すればするほど、手術も難しくなります
網膜剥離の手術には、目の中から処置を行う「硝子体手術」と、外側から当て物をして網膜を接着させる「強膜バックリング法」2つがあります。どちらを選ぶかは状況によりますが、若い方には強膜バックリング法を取ることが多い傾向があります。
いずれにしても、手術には1週間ほどの入院を伴うことになります。進行していれば手術の内容も複雑になり、手術しても元どおりに戻りにくくなりますので、とにかく重要なのは早期発見。特に糖尿病の方は「牽引性網膜剥離」というタイプの網膜剥離を発症しやすいので、症状がなくても定期的に検査を受けるようにしましょう。
こんなときはすぐに相談を!
網膜剥離は全く痛みを伴わないまま進行し、初期には無症状の場合も多く、大変気づきにくい病気。急に飛蚊症がひどくなった、目の中にキラッと光が見えるといった症状に気づいたらすぐにクリニックへ。治療が早いほど、患者さんの負担も最小限で済みます。
福田眼科病院:江島 哲至 先生
専門は白内障、網膜硝子体疾患。日本眼科学会、日本緑内障学会、日本眼科手術学会、日本抗加齢学会所属。初心を忘れず、目を守るための診療に取り組む。診断・治療に際しては十分な説明を心がけている。
【福田眼科病院】
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