専門ドクターに聞く【かつの整形外科リハビリテーション科】骨・関節・筋肉の衰えの検査
「骨・関節・筋肉の衰え」の検査について【かつの整形外科リハビリテーション科】勝野 雷二郎 先生にお話を伺いました。
骨や関節がなんとなく痛い…日常の動作の低下に気付いたときには「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)かもしれません。好きなことを何歳までも楽しむため、運動器の検査が大切です。
近年注目されるロコモティブシンドロームとは?
内臓脂肪型肥満により高血圧や高血糖、脂質異常などの症状が出ている状態を「メタボリックシンドローム」と呼ぶことは広く知られていますが、「ロコモティブシンドローム」は聞いたことはあるけれど意味はよく分からないという方が多いかと思います。
ロコモティブシンドロームとは通称ロコモとも呼ばれており、骨・関節・筋肉・神経などの体を動かす運動器の障害や衰えによって歩行障害や要介護になるリスクが高い状態をさします。
運動器は連動しており、膝を悪くすると腰や背中などにも悪影響を及ぼし姿勢も悪くなります。さらには転倒する危険性も高くなり、骨折を繰り返すようになると寝たきりになることも。動くことが怖くなって自ら閉じこもるようになると認知症も発症してしまうこともあります。
①なんだか腰痛がひどい…まずは医師の診察
ひどい腰痛をごまかしていたけれど最近肩も痛くなってきた、と相談に訪れた女性。診察室に入って来るときから姿勢や歩き方など医師はしっかりチェックしています。生活習慣や環境などもしっかり問診が行われます。
②問診診察の結果、必要に応じて検査が行われます。
レントゲン検査
まずはレントゲンで痛みの原因を探し、可視化します。DR という最新のシステムにより数秒で画像化され、待つ時間も短縮されます。
MRI検査
レントゲンでは分からない軟骨・靭帯・神経・腫瘍などを確認します。放射線被爆の心配がなく、オープン型のため閉塞感がありません。
骨密度検査
主に腰椎、大腿骨頸部の骨量をX 線で計測し骨密度を測定します。わずか10 分ほどで無理な姿勢をすることもなく簡単に検査できます。
③検査結果に応じて様々なアプローチで運動器のケアを行います。定期的にフィードバックを行いながらチームでケアしていきます。
栄養指導
クリニックには管理栄養士も在籍しており、いまの自分にあった栄養指導を受けることができます。食からも体を作るお手伝いを。
体脂肪筋肉量測定
自身の筋肉量や脂肪量などの体成分がいまどのようなバランスで機能しているかを、無料で細かく測定することができます。
体操指導
月2 回、参加無料の体操教室を開催。健康運動実践指導者によるパワーリハビリ指導や体操指導を受けながら無理なくロコモを予防します。
個別リハビリ
理学療法士が視診触診を行い、手技・指導等によって機能回復・維持・予防をめざします。
1.□ 片脚立ちで靴下がはけない
2.□ 家のなかでつまずいたり滑ったりする
3.□ 階段を上るのに手すりが必要である
4.□ 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
5.□ 2kg 程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳2 個程度)
6.□ 15 分くらい続けて歩くことができない
7.□ 横断歩道を青信号で渡りきれない
ひとつでも当てはまれば、ロコモの心配があります。ロコトレ(ロコモーショントレーニング)を始めましょう。※ロコモパンフレット2015 年度版(公益社団法人 日本整形外科学会)
かつの整形外科リハビリテーション科:勝野 雷二郎 先生
福岡県出身。川崎医科大学卒業。三宅医学研究所附属三宅リハビリテーション病院、西福岡病院などで研鑽を重ね、2017 年「かつの整形外科リハビリテーション科」開業。笑顔あふれるアットホームな空間での診療が好評。
企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局