専門ドクターに聞く【川原眼科】白内障と網膜硝子体疾患

2019年9月28日(土)

白内障と網膜硝子体疾患について【川原眼科】川原 周平 先生にお話を伺いました。

川原 周平 先生

見えないことで命には関わらない。しかし、生活の質を保ち、豊かな毎日を支えるあなたの目。

対向車のライトが眩しい、気になったら専門医へ

白内障とは、モノを見るレンズ部分に当たる目の水晶体がさまざまな理由によって濁り、見えにくくなる状態のことです。原因は目に衝撃が加わる外傷性やステロイド薬などの薬剤性などの場合もありますが、当クリニックに訪れる白内障患者の9割以上は老化現象が原因です。白内障は珍しい病気ではなく、60歳以上の方は軽度重度の差はあれど、何かしらの白内障の症状を抱えているといわれています。モノが見えにくい、眩しい、メガネを変えても見え方が変わらないなど、視力に違和感を感じたらまず白内障を疑ってください。よほど進行していない限り、見た目では判断できないため、専門医の診断が必要になります。

見えにくい、という症状は命の危険があるわけではありませんが、それにより生活の質の低下を引き起こします。例えば、車の運転に自信がなくなり引きこもりがちになる、免許の更新に支障をきたす、本や新聞を読むのも億劫になるなど、心豊かな暮らしに「きちんと見える」ことは不可欠です。

手術はおよそ7分!安全性の高い白内障治療

治療はほとんどが手術、軽症の患者や若年層に点眼薬を予防的に処方することはありますが、私はほとんど効果はないので症状が出ている方には手術をおすすめします。「小切開手術」は目に2.4㎜という極小の穴を開け、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し、人工のレンズを入れる手術です。その時間はわずか7分程度、術後の日帰りも可能です。

白内障は放置して治るものではありません。しかも人生に一度しか必要としない手術です。それなら一刻も早く手術で確かな見え方を手に入れる方が、人生が豊かになると私は考えます。

また、手術時に入れる人工レンズを多焦点眼内レンズにすれば、遠くと近くと広くピントが合い、老眼が良くなるとして、当院の白内障手術患者の3〜4割は多焦点眼内レンズを選択されます。当院はこれを使用できる「先進医療認定施設」に指定されており、安心して手術を受けることができます。

白内障は手術で治療可能。網膜硝子体疾患は「後遺症」の恐れあり!一日も早い治療を

加齢が引き起こすさまざまな網膜硝子体疾患

水晶体がレンズなら、網膜はフィルムのように映像を映す役目を持っています。目は脳の一部といわれるように、視神経が分布する網膜はダイレクトに脳に繋がっています。脳梗塞などが起こると視野に大きな影響があるのも、脳のダメージを直接受けるからです。

そんな網膜硝子体に関する病気は多岐にわたりますが、主なものは「黄斑上膜」「硝子体出血」「黄斑円孔」「網膜剥離」などです。黄斑上膜は、網膜の中心(黄斑)上に膜が張ることで、視野の一部が歪むなどの症状が起こります。黄斑円孔は黄斑に穴が開き、視野が歪んで著しく視力が低下するなどの症状が見られます。網膜剥離は、網膜が壁から剥がれ視力に大きな影響を与えます。加齢に伴う硝子体の変化で網膜に穴が開くことが原因です。また、硝子体出血は糖尿病や網膜剥離などが原因で、目の中に血がたまり急激な視力低下を引き起こします。

硝子体の異常も加齢が原因。早めの診断と適切な治療を

黄斑上膜は、すぐ進行するものではないので、様子を見ながら治療します。硝子体出血は自然に引く場合もあるので、これも1週間ほど様子を見ます。しかし、黄斑円孔は徐々に穴が大きくなり、網膜のダメージが進行します。網膜剥離は程度によっては失明の可能性もあるので緊急手術が必要です。網膜硝子体の手術は日帰り手術が可能です。時間は30〜60分の手術で翌日から仕事復帰もできます。

白内障は、認知症と関連があると言われており、手術が怖いからといって放っておくとよくはありません。いつかするなら、今すぐ手術することをおすすめしています。硝子体疾患を見過ごすと失明など重い後遺症が残ることもあります。だからこそ早めの診断、手術を専門施設で受けましょう。見えるという当たり前の健康を大切にしてください。

セルフチェック!

下記のチェックリストに当てはまるものがあれば、なんらかの眼の疾患の可能性があります。「こんなことで眼科を受診してもいいの?」といった軽い症状であっても、もしかしたらそれが眼のトラブルの始まりである可能性も。症状が続いているようなら早めに眼科を受診しましょう。

□ 歪んで見える、見えにくい
□ 目ヤニが出る
□ 涙が出る
□ 眩しい、かすんで見える
□ 視界に黒い影がある
□ まぶたが腫れている、しこりがある
□ かゆい
□ 目がすぐに乾く

川原 周平 先生

川原眼科:川原 周平 先生

長崎県出身。九州大学医学部卒業。九州大学病院、国立病院機構小倉医療センターなどで研鑽を重ね、2016 年に「川原眼科」を開業。高精度で専門的な手術治療を得意とし、近隣のみならず福岡県外からも患者が訪れる。

川原眼科

 

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