専門ドクターに聞く【よつばの杜クリニック】子どものスキンケア
子どものスキンケアについて【よつばの杜クリニック】伊藤 さおり 先生にお話を伺いました。
バリア機能が未熟で乾燥しがちな子どもの肌
赤ちゃんの皮膚はとても薄く、大人の皮膚の半分ほどの厚みしかありません。ですから、刺激に弱くてとても敏感です。水分も蒸発しやすいため、気温や湿度、汗、服との摩擦といった刺激を受けると、容易に乾燥が進んでしまいます。
また、生後3ヵ月過ぎから思春期までは皮脂もほとんど分泌されないので、外界の刺激から肌を守るバリア機能もうまく働きません。そのため子どもは皮膚に湿疹が出やすく、感染性の皮膚病にもかかりやすい傾向が見られます。
子どもの肌の乾燥を食い止め、病気を防ぐためには、子どもの皮膚の特性に合わせたスキンケアを習慣づけることが大切です。
「洗う・拭く・保湿」が子どものスキンケアの基本
子どものスキンケアでは、きれいに洗って拭き、しっかり保湿するという3ステップが基本となります。日中は紫外線ケアも大切です。ケアは四季を問わず毎日行うように習慣づけましょう。
体を洗う際には、洗浄料をよく泡だてて、やさしく洗いましょう。手首など皮膚が重なった部分の洗い残しに注意が必要です。流したあとも、くびれた部分に水分が残らないようしっかりと拭きます。
保湿は素早く。耳などにも塗り残しがないように気をつけてください。保湿剤は軟膏タイプの場合、手のひら2枚分の面積に対して1FTU (ワンフィンガーチップユニット」、人差し指の先から第一関節まで出した量が適量だとされています。乳液タイプの場合も、説明書に沿って使いましょう。
子どもに使う洗浄料、保湿剤、日焼け止めなどは敏感肌用のものや、子ども用のものを選ぶようにすれば、市販のもので構いません。まず保護者が自分の肌に使ってみて、使い心地や性能を試してくださいね。
こんな時はすぐ相談を!
日頃のスキンケアが肝心です。ケアをしてもカサカサが治まらない、じゅくじゅくとした汁が出るなどのトラブルがあれば、クリニックにご相談ください。アトピー性皮膚炎が判明した場合は塗り薬や飲み薬を用いて治療に当たることになります。
よつばの杜クリニック:伊藤 さおり 先生
熊本大学医学部医学科卒業。九州大学皮膚科入局後、九州大学病院にて研修。大分赤十字病院、佐賀県立病院好生館、飯塚市立病院などに勤務後、九州大学病院皮膚科外来医長、原土井病院美容皮膚科部長を経て現職。
企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局
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