専門ドクターに聞く【青葉レディースクリニック】里帰り出産、閉経後の不正出血
里帰り出産、閉経後の不正出血について【青葉レディースクリニック】小松 一 先生にお話を伺いました。
A.里帰り出産はよいことばかりではありません。あなたの「家族のカタチ」を見つめ直して。
小松先生:妊娠して最初に悩むことは「どこで分娩をするか」ということかもしれません。当院でも初めの頃は里帰り分娩をする予定でいたけれど、慣れ親しんだ病院で産みたいと希望が変わり、分娩後に赤ちゃんと一緒に実家に帰省される方が増えてきました。それでも、やはり里帰り分娩をしたいという方には、通院している病院に、「今回は里帰り分娩を希望する」意思を伝えて、里帰り分娩をする病院に、いつ頃、帰省した方がよいのか、早めに相談し、大まかなスケジュールを立てた方がよいでしょう。
一般に、妊娠後期に里帰りすることが多く、当院でも、特別な事情がない限り、妊娠34週を目安に受診していただくようにすすめています。しかし、分娩を扱ってない病院では妊娠中は切迫早産など、予期せぬことも起きるため、早く里帰りをすすめられることもあります。切迫早産では子宮が収縮しないように安静を保つことが重要です。お子さんがいて、ご主人の帰宅も遅く、周りに家族もいなくて、支援が得られないような状況下では、早めに実家に帰省した方がよいからです。
一方で、諸種の事情があって、遅く里帰りされる方もいます。その場合、病院の雰囲気やスタッフ、設備を早めに知って、不安を少しでも取り除くことが重要ですので、妊娠初期お盆や年末年始など長期休暇を利用して、帰省した際に受診することをおすすめしています。
小松先生:里帰りしてしまうと分娩前の2ヵ月間、分娩後も1~2ヵ月間、合計3~4ヵ月間、夫婦が離れて暮らします。これは夫婦にとって、正常な状態ではありません。母性と同様に、父性も大切です。共に力を合わせて、上手に子育てが出来るように、こまめに連絡を取るなど、お互いの気遣いが大切です。
A.出血は体からのサイン。見過ごさず、なるべく早目の受診が大切です。
小松先生:閉経とは1年間を振り返って、生理が来ない(無月経)状態を指します。閉経後は主に女性ホルモンの枯渇により、不正出血を来たしやすいのですが、ほかにも不正出血の原因となる重大な疾患がないかどうか、慎重に検査を進める必要があります。
診断は、まず子宮がんに関連した出血かどうか調べることから始めます。子宮にがんが見つかることは稀ですが、1年以上婦人科がん検診を受けてない方は子宮頸がん検診を実施します。特に子宮内膜が厚い、未産婦、肥満、糖尿病などの方には子宮体がん検診も実施します。
超音波検査では子宮内腔にポリープや小さな子宮筋腫が見つかることもあります。治療は子宮鏡が有用です。
性交渉の後に赤い出血がある場合は、子宮頸部に出来たポリープやびらんが原因のことがあります。子宮頸管ポリープは、外来で容易に摘出できます。帯下が多く、臭いを認める場合は細菌によるびらんが原因ですので、まず腟内の洗浄消毒を行い、改善が認めなければ薬剤やレーザーなどでびらん部位を焼灼します。
これらの検査で異常がなく、子宮や腟からの出血は考えられない場合は尿道口や肛門の痔からの出血を疑います。これらの出血は赤いことが多いです。いずれにしても、不正出血は不安にさせます。怖がらずに、婦人科を受診していただくことが大切です。
小松先生:一般に、「更年期」とは、閉経の前後5年間をいいます。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大く、早い人では40歳台前半、遅い人では55歳近くで、閉経を迎えます。閉経が近くなると、卵巣機能の低下に伴い、多くの方は月経不順、経血量が少なくなるなどの月経異常を経験します。突然無月経となることもあります。更年期症状は多彩で、ほてり、のぼせ、イライラ、情緒不安定、不眠、外陰のかゆみ、性交痛、頻尿など多岐にわたり、程度もさまざまです。
青葉レディースクリニック:小松 一 先生
高知県出身。九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センターや北九州市立医療センター、九州厚生年金病院などで研鑽を重ね、2007 年に「青葉レディースクリニック」を開業。高齢出産を多く手がけており、安心できる分娩をモットーにしている。
企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局
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