第7回ヤングダービー開催直前インタビュー 美しきボートレーサー大山千広選手

2020年8月31日(月)

俳優の田中圭さんが出演するテレビCMシリーズなど、女性からの注目度が上がっているボートレース。新シリーズには女優の武田玲奈さん扮する女子レーサーが登場し、ますます気になる展開を見せています。そして実際のレースでも、すてきな女子選手が活躍しているのを知っていますか。9 月に開催される「第7回ヤングダービー」に出場する福岡県出身の大山千広選手もその一人。実力と人気、さらに美しさも兼ね備えた大山選手に、ボートレースの楽しみ方や同大会について聞きました。

PROFILE ▶ おおやま・ちひろ
福岡県出身。 1996年2月5日生まれ。母親で元ボートレーサーの大山博美選手にあこがれボートレーサーに。 21歳で初優勝を飾る。 23歳6カ月の史上最年少で「GⅠ第33回レディースチャンピオン」初出場初優勝。2019年賞金女王に。

―ボートレースの楽しみ方を教えて!

女子が男子と一緒に同じ舞台で戦っているのが、一番の魅力だと思います。自分の中でもやりがいになっていますしね。女子が活躍している競技はいっぱいあるけど、女子と男子がガチンコで競い合える競技ってボートレースしかないと思う。同世代の女の子からすごく励みになるとか言ってもらえたりするので、それは自分もすごくうれしい。やっぱり〝強い男〟をやっつけたいじゃないですか(笑)。それに、ボートレースを見たことがない人も、ぜひレース場に来て女子と男子が一緒に走っているレースを見てほしい。まずは舟券を買わなくても、レースを見るだけでも迫力があって本当に面白いので。

 

―大山選手にとって「ヤングダービー」ってどんな大会?

勝てば〝その後〟につながる大会ですね。こだわっているわけではないけど、優勝できれば、SG(スペシャルグレード・最高峰クラス)の権利を勝ち取れるので(クラシック、オーシャンカップ)。レベルの高い若い強豪の男子と戦えるのも楽しみです。でも、男子相手にやれないと認めてもらえない部分もあるので、結果を残したいレースでもあります。

―最近はSGやGⅠ(グレードワン)もよく走っていますね

でも、7月のオーシャンカップも参加賞みたいな感じだったので、すごく悔しかったですね。だからこそ逆にモチベーションは上がりました。走るだけで自分のレベルが上がる場所なので、行ける機会を自分でつかまないといけない。ただ、SGは出場資格があるから勝ち取れば出られるけど、GⅠに呼んでもらえるかどうかは、アピール次第。優出した昨年の福岡周年みたいに結果を出して、施行者さんに呼びたいと思える選手にならないと。

―やはりSGを勝つのが目標?

やっぱりいつかはSGを勝ちたい。SGは本当に厳しくて、まだまだ足りないことばかりと痛感するけど、だからこそ優勝したい。ヤングダービーを勝った選手は、SGやGⅠでも活躍している人たちばかり。そう思うと、自分も勝たないといけないと思っています。

―前哨戦のウエスタンヤングは女子として初優勝を達成しましたね。

混合戦で優勝したのは2回目だったのでうれしい。ウエスタンヤングは福岡の先輩がずっと優勝している大会だったので、福岡支部の選手として貢献できて良かったなとは思います。でも、やっぱり本戦のヤングダービーを勝ちたいし、勝たないと意味がないとも思います。

―今の課題は?

ターン、スタート、整備っていっぱいあるけど、ターンが9割ですね。オーシャンカップでは特にそれを感じて…。もう(優勝した)峰竜太さんとは、初動のハンドルを入れる位置が2艇身ぐらい違う。今まで出場したSGの中でも一番レースにならなかった。もうターンの全てで次元が違うように感じましたね。

―女子戦とは明らかに違う?

SGを走ることで、女子戦で優勝できてもひと息つけないと思うようになりました。SGのレベルと比較したら、女子戦は毎回完全優勝するぐらいじゃないと、SGで優勝なんて考えられない。女子戦はエンジンが出ていなくても勝たなければいけないと痛感しました。だって、峰さんや毒島誠さんや桐生順平さんが女子戦に出たら、エンジンが悪くても絶対に完全Vできるはずですよ。それを考えたら、私も同じことをやれるようにならないと。

―SGを勝つためには何が必要だと?

今までは漠然とSGを勝ちたいと思っていたけど、いざそこを走ってどれだけの差があるかを感じています。ターン、メンタル、整備…。でも、途方もないことだけど、ワクワクもします。チャレンジできることに喜びを感じています。だから、GⅠをもっと走りたい。確かに女子戦は人気があって売り上げもすごいけど、女子戦しか走らなかったらレベルがそこで止まってしまう。SGを勝つためには普段からGⅠを走っていないと厳しい。女子戦とはレースの流れから全てが違うので、たまにSGを走って勝てるほど甘くない。SGのメンバーがずっと走っているGⅠを走り続けて経験値を上げていかないと、相手が何をしてくるかとかも読めないし、レースの流れにもついていけない。女子の枠を超えた選手にならないといけないですね。

―注目の選手、ライバルは誰か教えて?

ライバルって訳ではないけど、やっぱり同じ福岡の羽野直也選手、仲谷颯仁選手は注目だと思います。羽野さんは同じグループの先輩で、同じ芦屋のフレッシュルーキーだったこともあってずっと切磋琢磨(せっさたくま)してきました。本当にうまいし、すべてにおいてレベルが高い。この前、グラチャンで優出して遠いところに行ってしまった感じがするので、少しでも追いつきたいですね。仲谷さんはストイックで、向上心の塊。他の若い男子の選手とは違いますね。試運転にも一番に出てくるし、仕事に対しての意欲が違う。意識が高い。すごく尊敬しますね。同世代の3人で福岡の若手を引っ張りたい気持ちもあるし、羽野さんと仲谷さんが互いにライバルって感じなんで、その先輩2人について行けるようにしたい。

―女子では?

女子だと土屋南選手ですね。後輩では一番仲が良くて、私の話もいっぱい聞いてくれます。一番熱く仕事の話をしますね。南もものすごく意識が高い。この前、住之江で初優勝したのも自分のことのようにすごくうれしく感じました。だから、今回一緒にヤングダービーに出られるのはうれしいし、楽しみです。いつかは2人でSGやGⅠを走れるようになりたい。今までGⅠを走った時に、先輩の遠藤エミさんや、小野生奈さん、守屋美穂さん、平高奈菜さん、松本晶恵さんとか同じ世代のかたたち、熱く仕事の話をして一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しているのがうらやましくて。だから、私にとってのそういう存在が南なのかなと思いますね。

―美人レーサーといわれることについては?

美人レーサー(苦笑)。レース場での自分の写真とか見たら、ブサイクだなあって思いますけどね。全くそんな意識はないです。トークショーとかの時はファッションには気を使いますけどね。母(大山博美)は「若い時は私の方がうんと美人だった」といつも言っていますね(笑)。

―母・博美さんについて

母の影響で選手になったけど、子供の頃に母のレースを見たことがないんですよ。若い時の母のレースをしている姿を全く知らない。人とは違う特殊なことをしているっていうのが、かっこいいなとは思っていましたけどね。自分が選手になって一緒にレースもできたけど、その時の母はもう引退間近だったんで。今になって思えば、母がA1の時のレースを同じレーサーとして見てみたかったですね。

―今後の理想のレーサー像は?

SGで優勝するのはもちろんだけど、ずっとその場にいて活躍できる選手になりたい。主力になりたいですね。やっぱり勝てないと面白くない(笑)。何歳で引退とかは考えていないけど、結婚して子供も欲しいとは思っています。今、相手がいないので、そんなこと考えてもしょうがないけど(笑)。ただ、結婚して子供を産むとなったら、どうしてもブランクができてしまう。だから今、行けるとこまで行って、SGで活躍できる土台を作りたい。今、SGで活躍している選手は、若い時から結果を残している人たちばかり。SGの主力の人たちが同じような時期にやったことは、自分もやらなければいけないと思っています。

―ヤングダービーへの意気込みと福岡の読者へメッセージを。

福岡ボートのファンの方は、地元なんでいい時も悪い時もずっと応援していただいているし、お客さんも多いので一番声援も大きく聞こえる。福岡に来たら、どこよりも一番頑張ろうと思えます。だから自分が走る時は、自分のレースを見に来てほしいですね。ヤングダービーも出るだけじゃなくて、自信を持って勝ちに行きたい。福岡からいっぱい応援してもらえるとうれしいです。

 

第7回ヤングダービー(プレミアムGⅠ)

開催日:9月17日(木)~22日(火・祝)
場 所:びわこボート(滋賀県大津市茶が崎1-1)

30歳未満のレーサーを対象としたプレミアムGⅠ競走で若手実力者をチェックするのに最適の大会。女子選手も出場可能。2018年の第5回には7人の女子選手が出場し、大山千広選手が女子で初めてヤングダービー優勝戦に進出した。

 

ボートレースびわこ Official Site

https://www.boatrace-biwako.jp/

 

第7回ヤングダービー(プレミアムGⅠ)

http://www.br-special.jp/202009PGI11/

 

カテゴリ:ボートレース