サツマイモや黒豚だけじゃない。鹿児島県を代表する農畜産物「かごしまブランド」

2020年2月17日(月)

豊かな自然と温暖な気候に恵まれた鹿児島県は、おいしい農畜産物の宝庫。それらを多くの人に味わってもらいたいと、同県は規定の基準をクリアした代表的な品を「かごしまブランド」として指定し、PR活動などに励んでいる。

いったいどんなブランド品があり、具体的にどんな取り組みをしているのか、探ってみた。

生産量全国トップクラスなど、全45品目を認定

南北約600km、東西約270kmに及ぶ広大な土地と温暖な気候に恵まれた中、多彩で上質な農畜産物を生産してきた鹿児島県。「さらなるイメージアップや安心・安全で品質の良い品を安定的に出荷できる産地づくりや販路拡大を進め、持続可能な営農活動を実現していこう」と全国に先駆け、1989年から生産者や関係機関・団体などが一体となって「かごしまブランド」確立運動を進めてきた。

その根幹となるのが、農畜産物における「かごしまブランド産品」の指定だ。以下の4項目中、いずれかの要件を満たすことを認定条件とした。

現在、かごしまブランド産品に指定されているのは、野菜(27品目)、花き(5品目)、果物(8品目)、畜産物(3品目)など、全45品目に上る。名称は原則的に「かごしま」+「産品名」に統一し,PRしている。

2018年秋からは「よりいっそうかごしまブランド産品のブランド力を高めよう」と、同ブランド産品を生産・出荷・販売などを行っている「かごしまブランド団体」の認定制度もスタートした。「かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)」に基づく認証を受けているなど、安心・安全面や品質や出荷量の安定などの要件を満たして認定されると、産地づくりや販路拡大などにおいて、県のサポートを受けることが可能だ。現在、156団体が認定され、ますます事業を充実させている。

ブランド確立を目指し、知事がトップセールス

「かごしまブランド」確立を目指した活動の柱、「産地づくり」と「販路拡大」について見ていこう。

かごしまブランド産品の生産地では、食の安心・安全への取り組みを基本に、生産性向上や省力化に向けた取り組みを進めている。具体的には、情報通信技術(ICT)などを活用した「スマート農業の推進」や、大規模経営体や産地リーダーの育成などによる体制づくりなど。また県の地域推進本部や園芸振興協議会は、関係機関・団体と連携し、さまざまな課題の解決を支援している。

販路拡大に関しては、知事が先頭に立ち、国内外でかごしまブランド産品を中心としたトップセールスに力を入れている。例えば19年4月には、母の日のプレゼント用の提案として鹿児島市内の量販店で「かごしまのマンゴー」の販売促進に尽力した。


「かごしまのマンゴー」のPRイベント


大消費地でPR、Webやテレビなどでも情報発信

県外では、大消費地(首都圏・関西圏・九州)の青果会社や量販店等のバイヤーと産地との交流を図るなど、産地と消費地の結び付きを強化。各地に設置したかごしまブランドアンテナショップ(11店舗)で、試食販売も行っている。

首都圏ホテルや高級果物店などで県産農畜産物を使った料理等を提供する「鹿児島フェア」や、百貨店と協力した料理教室の開催など、大都市圏における「鹿児島の食の魅力」の発信にも余念がない。


高級果物店での「鹿児島フェア」


県内では、観光客も多く訪れる飲食店で農畜産物を使った料理を提供するイベントを開催するなど、鹿児島の食をPR。鹿児島市内の量販店やアンテナショップ(6店舗)における農畜産物の継続的な販売にも取り組んでいる。

このほか「かごしまの食ウエブサイト」の運営やテレビなどでの露出、PR動画の作成など、さまざまな媒体を使い、農畜産物の良さを伝えている。

「たんかん」「パッションフルーツ」は国内シェア1位

かごしまブランド産品には国内シェア1位を誇る果物も目立つ。

2月上旬から3月下旬が旬のかんきつ類「たんかん」もその一つ。中国が原産地で、台湾を経て鹿児島県に導入されたといわれる。果肉が柔らかく、芳醇な香りと甘味が特徴。クエン酸やビタミンCもたっぷりだ。


「たんかん」は主に鹿児島、南薩摩、北薩摩、大隅地区で生産


アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とする「パッションフルーツ」も、南国鹿児島の気候とあいまって栽培が盛んだ。生産量は全国トップで、かんきつ系のフレッシュな香りにゴールド色の果肉を持ち、 すっきりとした爽やかな酸味と、濃厚な香り、ジューシーな甘さが際立つ。ヨーグルトやアイスとともに食べてもおいしい。


「パッションフルーツ」は6~8月が旬


Webサイト「かごしまの食」にレシピや郷土料理情報も

鹿児島県といえば、サツマイモや黒豚が全国的にも知られているが、かごしまブランド産品は多種多彩。南国イメージのある果物に限らず、オクラ、スナップエンドウ、カボチャといった身近な野菜もたくさんあり、Webサイト「かごしまの食」(https://www.kagoshima-shoku.com/)で詳しく紹介されている。

同サイトには、料理レシピや鹿児島の郷土料理情報も掲載されている。飲食店や販売店の検索もでき、かごしまブランド産品の魅力が満載。知れば知るほど味わってみたいと感じるはずだ。

企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局

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