【福岡女子大学】「イングリッシュ・ビレッジ」など国際性を身に付ける仕組みが充実

2021年2月5日(金)

 「次代の女性リーダー育成」を大学の基本理念に掲げる福岡女子大学。その実現にはグローバルな視点やコミュニケーション能力を持つことが必要なことから、同大学は国際文理学部に再編した2011年から国際教育に力を入れています。国際性を身に付けるために欠かせない語学力、特に英語の力を高めようと1年間の寮教育や留学疑似体験プログラムのEnglish Village(イングリッシュ・ビレッジ)、授業でのAcademic English Program=AEP(学術英語プログラム)などさまざまな取り組みを行っています。

入学後の1年間は「国際学友寮なでしこ」で共同生活

 福岡女子大学の特色の一つが寮教育。新入生は入学後の1年間は全員が寮で生活をします。同大学の敷地内にある「国際学友寮なでしこ」は、日本人学生3人と留学生1人によるユニットでの共同生活。1週間に1日は英語だけを使って過ごすEnglish Day(イングリッシュ デイ)と、朝の1時間を時間を英語で話すEnglish Time(イングリッシュ タイム)が設けられています。寮での生活が人間関係を築く力や異文化に対する理解力、外国語コミュニケーション能力を身に付けるのに役立っています。

 1、2年生においては、学部共通科目として「AEP(学術英語プログラム)」が必修科目です。英語の4技能であるスピーキング、ライティング、リスニング、リーディングを学べるように毎日実施し、英語で授業が受けられるような能力、プレゼンテーション能力、エッセーを書ける能力を高めるようにしています。

 海外からの留学生のサポーターとなるのがJD-Mates(ジェイ ディ メイツ)。留学生1人にJD-Mates 1人がサポーターとなり、入国や出国の支援、日本での生活と学習の支援などをします。留学生と1対1の付き合いができることで、自身の国際性を磨いていくことができます。

 The World of Japanese Contemporary Culture Program(ザ ワールド オブ ジャパニーズ コンテンポラリー カルチャー プログラム)は、外国人短期留学生受け入れプログラム。留学生を対象に現代日本文化と社会に関する授業を英語で行うもので、この授業に同大学の学生も受講できるようにしています。また、福岡-ASEAN-EU大学コンソーシアム・サマープログラムには海外の協定校から20人、同大学の学生から10人が参加するなど、学内で海外留学を体験できるプログラムが充実しています。

 このほか学生が自主的に運営している語学学習ワークショップとして、Language Café(ランゲージ カフェ)があります。これはランチタイムに、留学生を囲みながら学生が英語を含む約10カ国の言語に触れ合う機会を設けています。

「イングリッシュ・ビレッジ」は留学疑似体験プログラム

 海外に行くのではなく、学内にいる中で海外へ留学したような体験ができる機会を設けようとスタートしたイングリッシュ・ビレッジ。参加学生が「日本からイングリッシュ・ビレッジにやってきた」という設定で行う留学疑似体験プログラムです。イングリッシュ・ビレッジに参加する学生の大半は1年生と2年生で、毎年5月と11月に1泊2日の合宿スタイルで行っています。合宿中は日本語の使用は禁止。雑談を含めて、すべてが英語の中に身を置きます。海外の協定校から受け入れている交換留学生がリーダーとなり、インストラクター的な役割を果たします。

 イングリッシュ・ビレッジでは、まずアイスブレーキングセッションで交換留学生が中心となって自己紹介ゲームやジェスチャーゲームなどを英語で行い、お互いを知り合うことからスタート。そして、ディベートに移ります。最近のトピックについて、それに賛成するグループと反対するグループに分け、それぞれに考えをまとめてから論戦をするものです。ディベートの次はメイキング・ア・ピッチ・プレゼンテーションが行われます。ある商品を相手に買いたいと思わせるように、商品の優れている面などをそれぞれの学生が英語で発表します。そして、外国人教授による英語での講義で留学中の授業を疑似体験します。

 コロナ禍だった2020年は、5月は中止。その後、大学で対面授業が始まったことで、日帰りのプログラムとして11月と12月に実施しました。本来の定員は1回40人ですが、20人程度に減らしての開催でした。日本への入国制限で、同大学には手伝ってもらえる交換留学生がいないことから九州大学の留学生会に依頼。10人ほどの留学生にリーダーとなってもらいました。会場は、九州大学伊都キャンパスの会議室。12月も同じ形式でする予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、急きょオンラインに切り替えての開催になりました。

 


イングリッシュ・ビレッジの様子


 「大学での英会話の授業はあっても、その外では全て日本語。日常において、全て英語で話す環境は日本にはなかなかありません。留学すれば日本語を話す人は周りにいない環境なので、どうしても英語を話さなければならない。イングリッシュ・ビレッジは、そういう環境をつくることも目的のひとつです。必要に迫られて英語を話す経験が重要なのです。学生からは『イングリッシュ・ビレッジに参加して、英語を話すということへの抵抗が小さくなりました』という感想を聞きます」と髙原芳枝国際化推進センター長。

世界の22カ国・地域の34大学・学部と交流協定を結ぶ

  同大学の交流協定校は、中国、台湾、韓国、インド、イギリス、フランス、ベルギー、ポーランド、アメリカ、カナダなど22カ国・地域の34大学・学部。いずれも、その国の有名な大学と協定を結んでいます。  夏休みや春休みなどに2週間から5週間、これらの協定校に派遣するさまざまな短期海外研修も実施しています。学生には、留学中の自主研究、帰国後の報告書の提出とプレゼンテーションが義務付けられており、将来の本格的な海外留学につながる研修となっています。

 交流協定校への交換留学の期間は6カ月から1年。交換留学先で取得した単位は、一定の条件の下で30単位を限度に卒業要件単位として認められます。協定校への授業料の支払いは不要です。

 髙原国際化推進センター長は「コロナ禍で海外への留学は一時中断しています。それまでは、1年間で短期と長期の留学を合わせると160人ほどが海外に出ていました。学生数が1000人規模の大学ですので、留学する学生の割合が多いことが分かります。大学卒業までの4年間で、海外留学と留学疑似体験プログラムを経験する本学学生の割合は延べで約70%です」と話します。2020年はコロナ禍で交流協定校との交換留学がストップし、しばらくは停滞を余儀なくされることが予想されるため、今後はオンライン教育ツールを活用した、新しい形の教育連携を検討しています。

 同大学が国際化に力を入れていることから、英語力のある高校生が新入生として入学していて、年々1年生の英語力が上がっています。さらに、留学をしたいから福岡女子大学を志望するという高校生も増えています。

 2023年に創立100周年を迎える福岡女子大学は、国際化をさらに推進しながら次代の女性リーダーの育成を目指しています。

 

<福岡女子大学>

 日本で初の公立の女子専門学校として1923年に設立。建学の精神「次代の女性リーダーを育成」を掲げ、英語教育を重視した文理統合教育を行っています。福岡女子大学の取り組み・実績は外部からも高く評価され「THE世界大学ランキング日本版2019」(2019年3月発表、Times Higher Educationによる)では総合46位(教育充実度34位、国際性13位)、全国の女子大学の中で2位となりました。

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企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局

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