まくって攻める! 高田ひかる選手直前インタビュー ボートレースびわこ西日本スポーツ杯

2022年9月2日(金)

「ボートレースの華」とも表現される積極果敢な戦法の「まくり」を武器に、急激に成績を伸ばしている若手女子選手がいる。高田ひかる選手(28)=三重=がその人。
人気もうなぎ登りで、今年5月には、ファン投票によって出場選手が決まる「ボートレースオールスター」(ボートレース宮島で開催)でSG(スペシャルグレード=業界の最高グレード)レースへの初出場も果たし、予選の初戦でいきなり白星も挙げた。

9月8日(木)~13日(火)、滋賀県大津市のボートレースびわこで「第6回西日本スポーツ杯」が開催される。同杯は女性5人の出場が予定されている男女混合戦。昨年の西スポ杯は女子レーサーの渡辺優美選手が優勝した。今年も女子レーサーがレースを制すか。同杯に出場し活躍が期待される高田選手にボートレースへの思いや西スポ杯への意気込みなど話を聞いた。

(※ボートレースの決まり手)1着の選手がどんな戦法・展開で勝ったかを示すもの。「逃げ」「差し」「まくり」「まくり差し」「恵まれ」「抜き」の6種類があり、まくりは内側の艇を全て外側から抜き去って1Mを先頭で回らないと記録されない。差しは1Mを先に回った他艇の内側に舟を運んで抜け出す技。

PROFILE ▶ たかだ・ひかる
1994年8月5日生まれの28歳。三重県出身、伊賀白鳳高中退。2013年11月デビューの113期。初1着まで1年4カ月を要したが、それから1年半で優出(優勝戦に進出することの略称。結果は転覆)。さらに3年後の18年5月に下関で初優勝を挙げた。今年は7月に鳴門でV。昨年8月には女子の強豪だけが出場できるレディースチャンピオンでG1で初めての優出(4着)。デビューからの通算成績は1着347回、32優出5V、通算獲得賞金1億3893万1500円(8月31日現在)。休日はホットヨガでリフレッシュ。ゴルフの練習場に通い、コースへのデビューに備える日々。158㌢、49㌔、A型。

―伸びるエンジンに仕立て、まくって攻めるレースがファンの支持を集めています。

エンジンを出す(人を上回るパワーに仕上げる)ことへの意欲はずっとありました。その中で2020年に、ペラ調整が得意な野添貴裕さん(引退)、藤山翔大さんと同じ開催に出場する機会があったんです。そこで伸び型のペラ調整を教わって、自分の仕上げ方に〝色〟を付けることができました。今のスタイルのきっかけはその出会いですね。

 

―脅威の伸びを周りの選手たちも強く警戒しています。

8月に、追加あっせん(欠場者が発生した際に急きょ出場を依頼される)でボートレース芦屋(福岡県)を走った際には、(冗談交じりに)〝嫌な選手が追加で来たな〟とも言われました。それだけ手ごわい相手として認めてもらえているのは光栄でうれしいです。

―ボートレースには「差し」という戦法もあります。

私は元々、外マイやスピード戦が得意だったので、得意なことを伸ばしていこうとしたら今のスタイルになりました。差しは得意ではないけど、それは今後の自分の伸びしろ(成長の余地)だと思っています。差しも上手になればもっと強い選手になれるので。

―勝利への王道ともいえる「イン逃げ」の得意度は?

元々はかなり得意だったのに、最近はあまり逃げられていないですね・・・。ファンに安心して買ってもらえる選手になりたいので、インの信頼度を上げるのは差しと同じく今後の課題です。

―西スポ杯で走るびわこ水面の印象は?

これまで成績が両極端なので、私に合っているのかどうなのか、全く分からないんです(苦笑)。ただびわこは、子どものころから家族に連れられてスタンドから見ていた水面。伊賀の実家からだと津もびわこも似た距離なので、津と同じぐらい訪れていました。なじみがあるレース場です。

―そんな観戦体験からレーサーに?

カッコいい!と小学生で一目ぼれしました。井口佳典さん(同じ三重支部)のオールスター優勝(2008年、東京・ボートレース平和島)も(場外発売をしていた)ボートレース津で観戦。ファンのみんなが画面の向こうの井口さんにスタンディングオベーションをする光景には感動で鳥肌が立ちました。レーサーの試験は中学卒業時から4回受けて合格。高3の途中で養成所に入りました。

―晴れてレーサーの一員になりましたね。

その井口さんや、小学生時代の憧れだった浜野谷憲吾さん(東京支部)と同じレースを走る機会もあり、とても楽しく充実した日々です。

―とはいえ、勝負の世界には厳しい一面もある。

結果が出なくてしんどいときもあります。それでも、応援してくれている人の存在は分かっていますし、伸びてまくる高田ひかるというレーサーに期待してくれているのも分かる。なので決して逃げ出さず、〝高田ひかるが高田ひかるであるにはどうしたらいいのか〟と考えて、目の前の一走一走に全力を尽くしています。それが私のモットーの〝一所懸命〟でもあるのですけど。

―今後の目標は?

(女子の年間賞金上位12人が出場できる)年末のクイーンズクライマックスへの初出場がまず今年の目標(現在、賞金ランクは女子の11位)。毎年1回ずつしか優勝できていない私だけど、SGクラシック(3月に開催。例年、前年に5~6回の優勝を挙げれば出場切符が得られる)にも出たいと思っています。レーサー像としては、オールスターの優勝で見た井口さんのように、私もみんなに愛されるレーサーになりたい。

―昨年の西スポ杯は女子の渡辺優美選手が男子5人を相手に優勝しました。

知っています。2コースまくりでしたね! 私も頑張ります!

 

第6回西日本スポーツ杯

開催日:9月8日(木)~13日(火)
場 所:びわこボート(滋賀県大津市茶が崎1-1)

 

ボートレースびわこ Official Site

https://www.boatrace-biwako.jp/

 

ボートレースとプロ野球、福岡を拠点に活躍する若手トップアスリートによる夢の対談!

2021年12月16日(木)

艇界最強女子を決める大みそか決戦・プレミアムGⅠ「第10回クイーンズクライマックス」が26日、福岡ボートで熱戦の火ぶたを切る。今年の獲得賞金上位12人が、賞金1500万円と女王の証しでもある黄金のティアラを懸けた白熱バトルを繰り広げる。3年連続出場の大山千広(25)は、11月のGⅡオールレディースチェレンジカップ(多摩川)で優出4着を決め〝滑り込み〟で大会出場を決めた。「地元だけにむちゃくちゃうれしい」と張り切っており、そんな大山と地元球団福岡ソフトバンクホークスの若武者・栗原陵矢(25)による同年代コラボによる対談が実現した。

◆栗原陵矢(くりはら・りょうや)1996年7月4日生まれの25歳。178㌢、78㌔。右投げ左打ち。福井県出身。春江工高から、2015年にソフトバンク入り。今季プロ入り後初の全試合出場を果たし77打点をマーク。自己最多だった昨季の73打点を上回った。東京五輪にも出場し、来季から巧打者がつけてきた背番号24を継承する。
◆大山千広(おおやま・ちひろ)1996年2月5日生まれの25歳。161㌢、46㌔。福岡県出身。近畿大学付属福岡高から、2015年5月、福岡で116期生としてデビュー。18年に最優秀新人。19年8月のプレミアムGⅠレディースチャンピオン(蒲郡)で初出場初Vを果たし、23歳6カ月の優勝は史上最年少の快挙だった。

成長した印象の栗原

―お互いの第一印象はいかがでしたか?
(栗原)本当に細い方ですね。それに本物の女子ボートレーサーや!と思いました。ボートレースは昔から知っていました。地元福井には三国ボートがあって、高校生三年の時に中島孝平選手が操縦するペアボートに乗って体験走行した経験もあるんです。もちろん、プロ入りしてからは舟券を買ってます。
 
(大山)宮崎キャンプで柳田悠岐さんを激励に行った時にお会いしましたよね。やっぱデカっと思いました。同い年なんですけど、当時お会いした時はまだ幼くて子供みたいな印象だったのに、いろんな経験をして成長したんだろうなと思いました。
大山選手は滑り込みで地元福岡でのクイーンズクライマックス出場おめでとうございます!大会を盛り上げるため栗原選手から応援メッセージお願いします。
(栗原)やっぱり大山選手にはフライングしないでほしいですね(笑)。
 
(大山)よう、知っとおねー!(笑)
 
(栗原)僕は今年一年はこれまで勝ってきたチームが勝てない苦しさを感じました。東京五輪も勝たなきゃいけないプレッシャーもありメンタル面で本当につらかった。でも、大山選手は直接ファンのお金を背負って勝負しているわけで、かなり大変でしょう。
 
(大山)お客さんのヤジとかは聞こえるのでキツい時もありますよね。でも、栗原さんも同じだと思いますよ。私も今年一年間本当に苦しかった。フライングもあり、どうしたら勝てるか分からなくなった。だから今年はメンタルを鍛える年なんだなと割り切っていました。
 

4番の自覚を持った

―二人とも同い年ですがが、チームも艇界も引っ張っていく意識はありますか。
(栗原)今年は途中から4番を打たせてもらってから打線の4番として意識持つようになりました。昨年は4番目の打順ぐらいしか思っていませんでした。でも、今年はコーチから『逃げはやめろ。4番の自覚を持って打席に立て、お前が打てば勝てるんだぞ』と言われたときにハッと目覚めました。
 
(大山)私はまだまだ上に強い先輩がいますから。私はもっと年代を重ねてからだと思います。
 

 

―二人ともオフは何をして過ごしていますか?
(栗原)髪切りに行くぐらいですかね。金髪に染めてチャラチャラしすぎですかね(笑)。食事はデリバリーが多いんですよ。たまに柳田さんちに行って、ごちそうしてもらって、そのまま泊まって球場入りしたこともあります。
 
(大山)ボートレーサーは先輩と過ごすことが多いので、お話を聞いたりかわいがってもらっています。
 

年末は私が稼がせてあげます

―栗原選手は舟券の調子はいかがですか?
(栗原)ひどい状態です。宮崎キャンプでも場外舟券場に行くけど〝読み〟がですね。年末は福岡ボートで稼がないと…。
 
(大山)年末は私が稼がせてあげますよ。
 
(栗原)おおー、それはぜひお願いします。
 
 
―栗原選手はボートレースでどんなところを見ていますか?
(栗原)周回展示はバリ見るっすよ。本当は難しいんでしょうけど、出とるなーって、それで買いますよね。自分も調子いい時に、年1、2回ゾーンに入ったらボールがゆっくり見えて必ず打てますからね。ボートレーサーもそんな時はないですか?
 
(大山)フライングする時は見えてない時ですから。ただ、そんなゾーンに入るような経験は、まだないです。
 

大山には攻めるレースを期待

―来年の目標は何でしょうか?
(栗原)一軍に出場できるようになって3年目です。来年は何よりチームが勝てるようにしたい。同時に体づくりのために一人暮らしをちゃんとして料理とかできるようになりたい。
 
(大山)私は来年は絶対にフライングを切らず、余裕を持って年末を迎えたい。それにグランプリシリーズやSGに行く権利を確保して、勝率や優勝回数を意識したいですね。勝率上げて1600人中52人だけ行けるダービーにもぜひ行きたい。
 
―クイーンズクライマックスは12番目に滑り込んだが。
(大山)こんなにうれしかったことはありません。みんなから、あんなにうれしそうな姿は初めて見たと言われました。せっかく、地元福岡での開催なので優勝したい。栗原選手、私の舟券を買ってくださいよ。
 
(栗原)大山選手を応援します。家の近くの神社に行って必勝祈願をしてきます。ぼくは地元の三国ボートで大山選手の優勝を見ることになると思うけど三国に飛び込んで〝ひとり水神祭〟をやります。大山選手には攻めるレースを期待しています。
 
 
 

第10回クイーンズクライマックス(プレミアムGⅠ)

開催日:12月26日(日)~31日(金)
場 所:ボートレース福岡(福岡県福岡市中央区那の津1丁目7−5)

今年の獲得賞金上位12人が、賞金1500万円と女王の証しでもある黄金のティアラを懸けた白熱バトルが期待される。

レース公式サイト:https://www.br-special.jp/202112PGI22/

BR福岡公式サイト:https://www.boatrace-fukuoka.com/

【メモ帳から(取材後記)】

 大山千広選手はテレビやユーチューブで見た印象通り、アイドルにもなれるほど美しさを備えていた。一方、栗原選手は2年ほど前に球場で見た時より大人びたというかプロ野球選手らしい風格を備えていた。
対談でも大山選手まで「栗原選手は以前会った時と印象が変わった」と話していたが、やはりそうだった。東京五輪と今季一軍でのフル出場。キャリアを重ねでプロ野球人としての自覚もより深まったのだろう
大山選手も天才少女から艇界を引っ張る次代の女王として、来年はより風格を備えるのだろう。
福岡ボートでのPGⅠ第10回クイーンズクライマックスで大山は今年の憂さを一気に晴らし、ぜひとも優勝して黄金のティアラを戴冠してほしい。栗原選手にはホークスの歴代巧打者たちが付けた背番号「24」とともに、より一層羽ばたくことを期待している。

 

SG第31回グランドチャンピオン開催直前インタビュー 最強兄弟の兄・篠崎元志選手に聞く「コロナ禍でのボートレーサーの使命感」

2021年6月10日(木)

ステイホーム中の娯楽としても、市民権をぐーんとアップさせているボートレース。
22日~27日には岡山県倉敷市の児島ボートで、業界最高格のSG(スペシャルグレード)レースの今年第3弾、「第31回グランドチャンピオン」(優勝賞金3300万円)が開催されます。その一戦に挑む、史上最強とも称される兄弟レーサーの兄で福岡市出身の篠崎元志選手(35)に、ボートレーサーとしての気構え、大会への意気込みなどについて聞きました。

PROFILE ▶ しのざき・もとし
 1986年2月28日生まれ。福岡市出身。A1級。2012年、住之江(大阪市)のグランプリシリーズ戦でSG初優勝。15年、蒲郡(愛知県)のメモリアルでSG2度目のV。実弟は同じくA1級レーサーの仁志(ひとし、33歳)

―コロナ禍でのステイホーム需要もあり、テレビやインターネットの視聴、舟券購入などを通して、ボートレース業界は売り上げを大きく伸ばしていますね。

「仕事をしたくてもできない方もいる中で、変わらずにレースができている。走れることは決して当たり前ではないんだなという複雑な思いはありますが、業界の売り上げが(寄付や交付金として)社会貢献にもつながっているわけで、そこに自分たちボートレーサーの走る意味があることを理解していますし、目の前のレースに全力で打ち込むことの大切さもいっそう強く感じています」

―デビュー丸16年。改めて思うこの仕事の魅力は?

「結果が全ての世界。頑張ってその結果を残せば自分に戻ってくるので、やりがいが大きいですね」

―「イケメン」の名をずっと背負ってきた16年でもあります。

「そういう取り上げられ方も含めて、いろいろな形でボート界からオファーをいただいていることに感謝しています。10年以上前は〝名前先行〟のようにも感じていたので、結果も残さなきゃ、期待に応えるだけのことはしなくちゃ、という責任を感じながらやってきました」

―〝広報マン〟としての役目をいとわず引き受けるのにも納得がいきます。

「この世界で自分を売り込んでいく際に、ボート業界全体に後押ししてもらった部分があると思っています。それにお返ししなくてはという思いですね」

―弟・仁志選手とともに兄弟として取り上げられることも多いですね。

「兄弟で注目される重圧もずっとあった中、弟が昨年5月、オールスター(大阪・住之江ボートで開催)でSGを勝てたことは本当に良かった。一つの重荷が取れたっていうのかな。弟が勝ったその優勝戦はレース前に、『絶対に勝って来い』と初めて思ったレースでした。それまでは、勝つのはもちろんうれしいけど、無事に帰って来いとか、勝ち負け以前の感情の方が大きかったけど、あのレースだけは違った。思いが届いたのかもしれませんね」

オールスター優勝後に兄弟で写真に納まる篠崎仁志(左)と兄の元志
=昨年5月

―名実ともに紛れもなく最強兄弟レーサー。ファンは2人一緒の活躍が今後も見たいはずです。

「2人でまたグランプリ(年末に開かれる、優勝賞金1億円を懸けた業界最高峰の一戦。約1600人の全選手中、18人しか出られない)に、という気持ちは、兄弟としての毎年の目標と言えるかもしれません。初めて2人で出場した2016年のグランプリは、自分が直前のけがの影響で最後まで走り切れなかったというのもありますし…」

―児島ボートで22日から開かれるSG「グランドチャンピオン」にも兄弟で参戦。どんな大会ですか?

「1年間のSGの成績上位だけが出られる大会なので、出場メンバーもレース内容も、SGの中でも特にレベルが高い。SGには全て出場したいという思いはずっとあるので、もちろん出たかった大会です」

―初めてグラチャンに出場したのが、ちょうど10年前の児島大会でした。

「優勝は(福岡支部の先輩の)瓜生正義さん?あぁ2号艇でしたね。(V最短だった)1号艇は自分の同期の平本真之君でしたよね。覚えています」

―その児島で、今度はあなたが優勝戦出場1号艇、そしてVをつかんでほしい。どんな意気込みですか。

「昨年は、グレードレースどころか一般戦でも一度も優勝できなかったし、停滞している状況が長い。このあたりでいいきっかけをとの思いはあります。グレードレースで成績を残したいし、児島はSGで優勝戦出場したこともある(2012年のチャレンジカップで5着)。レース場関係者の方々の期待にもお返しできるよう、しっかり頑張るだけだと思っています」

―ボートレース未経験者にもメッセージを。

「今は外出を控える時期ですが、コロナが収束すれば、ぜひレース場で見てほしい。やっぱりボートレースは生で観戦してこそ。エンジン音はすごいし、この迫力はテレビやパソコン、スマホの画面だけでは伝わらないものがあります。賭け事の公営競技だけど、実際に見てもらえたら、一つのモータースポーツとしての魅力も分かってもらえると思います。レース場に来れば、画面とのギャップに驚きますよ」

SG第31回グランドチャンピオン

開催日:6月22日(火)~
場 所:ボートレース児島(岡山県倉敷市児島元浜町6-3)

年間に8大会あるSGレースの一つ。出場するのは、1年間のSG優勝戦の進出者をはじめ、SGの常連ばかりのため「SG中のSG」とも呼ばれる。全国持ち回りで開催され、児島での開催は10年ぶり2度目。略称はグラチャン。

ボートレース児島 Official Site

http://www.kojimaboat.jp/index.html/

 

グラチャン特設サイト(スマホの方はこちら)

http://www.kojimaboat.jp/2021gc/sp/index.html/

 

グラチャン特設サイト(パソコンの方はこちら)

http://www.kojimaboat.jp/2021gc/index.html/

第7回ヤングダービー開催直前インタビュー 美しきボートレーサー大山千広選手

2020年8月31日(月)

俳優の田中圭さんが出演するテレビCMシリーズなど、女性からの注目度が上がっているボートレース。新シリーズには女優の武田玲奈さん扮する女子レーサーが登場し、ますます気になる展開を見せています。そして実際のレースでも、すてきな女子選手が活躍しているのを知っていますか。9 月に開催される「第7回ヤングダービー」に出場する福岡県出身の大山千広選手もその一人。実力と人気、さらに美しさも兼ね備えた大山選手に、ボートレースの楽しみ方や同大会について聞きました。

PROFILE ▶ おおやま・ちひろ
福岡県出身。 1996年2月5日生まれ。母親で元ボートレーサーの大山博美選手にあこがれボートレーサーに。 21歳で初優勝を飾る。 23歳6カ月の史上最年少で「GⅠ第33回レディースチャンピオン」初出場初優勝。2019年賞金女王に。

―ボートレースの楽しみ方を教えて!

女子が男子と一緒に同じ舞台で戦っているのが、一番の魅力だと思います。自分の中でもやりがいになっていますしね。女子が活躍している競技はいっぱいあるけど、女子と男子がガチンコで競い合える競技ってボートレースしかないと思う。同世代の女の子からすごく励みになるとか言ってもらえたりするので、それは自分もすごくうれしい。やっぱり〝強い男〟をやっつけたいじゃないですか(笑)。それに、ボートレースを見たことがない人も、ぜひレース場に来て女子と男子が一緒に走っているレースを見てほしい。まずは舟券を買わなくても、レースを見るだけでも迫力があって本当に面白いので。

 

―大山選手にとって「ヤングダービー」ってどんな大会?

勝てば〝その後〟につながる大会ですね。こだわっているわけではないけど、優勝できれば、SG(スペシャルグレード・最高峰クラス)の権利を勝ち取れるので(クラシック、オーシャンカップ)。レベルの高い若い強豪の男子と戦えるのも楽しみです。でも、男子相手にやれないと認めてもらえない部分もあるので、結果を残したいレースでもあります。

―最近はSGやGⅠ(グレードワン)もよく走っていますね

でも、7月のオーシャンカップも参加賞みたいな感じだったので、すごく悔しかったですね。だからこそ逆にモチベーションは上がりました。走るだけで自分のレベルが上がる場所なので、行ける機会を自分でつかまないといけない。ただ、SGは出場資格があるから勝ち取れば出られるけど、GⅠに呼んでもらえるかどうかは、アピール次第。優出した昨年の福岡周年みたいに結果を出して、施行者さんに呼びたいと思える選手にならないと。

―やはりSGを勝つのが目標?

やっぱりいつかはSGを勝ちたい。SGは本当に厳しくて、まだまだ足りないことばかりと痛感するけど、だからこそ優勝したい。ヤングダービーを勝った選手は、SGやGⅠでも活躍している人たちばかり。そう思うと、自分も勝たないといけないと思っています。

―前哨戦のウエスタンヤングは女子として初優勝を達成しましたね。

混合戦で優勝したのは2回目だったのでうれしい。ウエスタンヤングは福岡の先輩がずっと優勝している大会だったので、福岡支部の選手として貢献できて良かったなとは思います。でも、やっぱり本戦のヤングダービーを勝ちたいし、勝たないと意味がないとも思います。

―今の課題は?

ターン、スタート、整備っていっぱいあるけど、ターンが9割ですね。オーシャンカップでは特にそれを感じて…。もう(優勝した)峰竜太さんとは、初動のハンドルを入れる位置が2艇身ぐらい違う。今まで出場したSGの中でも一番レースにならなかった。もうターンの全てで次元が違うように感じましたね。

―女子戦とは明らかに違う?

SGを走ることで、女子戦で優勝できてもひと息つけないと思うようになりました。SGのレベルと比較したら、女子戦は毎回完全優勝するぐらいじゃないと、SGで優勝なんて考えられない。女子戦はエンジンが出ていなくても勝たなければいけないと痛感しました。だって、峰さんや毒島誠さんや桐生順平さんが女子戦に出たら、エンジンが悪くても絶対に完全Vできるはずですよ。それを考えたら、私も同じことをやれるようにならないと。

―SGを勝つためには何が必要だと?

今までは漠然とSGを勝ちたいと思っていたけど、いざそこを走ってどれだけの差があるかを感じています。ターン、メンタル、整備…。でも、途方もないことだけど、ワクワクもします。チャレンジできることに喜びを感じています。だから、GⅠをもっと走りたい。確かに女子戦は人気があって売り上げもすごいけど、女子戦しか走らなかったらレベルがそこで止まってしまう。SGを勝つためには普段からGⅠを走っていないと厳しい。女子戦とはレースの流れから全てが違うので、たまにSGを走って勝てるほど甘くない。SGのメンバーがずっと走っているGⅠを走り続けて経験値を上げていかないと、相手が何をしてくるかとかも読めないし、レースの流れにもついていけない。女子の枠を超えた選手にならないといけないですね。

―注目の選手、ライバルは誰か教えて?

ライバルって訳ではないけど、やっぱり同じ福岡の羽野直也選手、仲谷颯仁選手は注目だと思います。羽野さんは同じグループの先輩で、同じ芦屋のフレッシュルーキーだったこともあってずっと切磋琢磨(せっさたくま)してきました。本当にうまいし、すべてにおいてレベルが高い。この前、グラチャンで優出して遠いところに行ってしまった感じがするので、少しでも追いつきたいですね。仲谷さんはストイックで、向上心の塊。他の若い男子の選手とは違いますね。試運転にも一番に出てくるし、仕事に対しての意欲が違う。意識が高い。すごく尊敬しますね。同世代の3人で福岡の若手を引っ張りたい気持ちもあるし、羽野さんと仲谷さんが互いにライバルって感じなんで、その先輩2人について行けるようにしたい。

―女子では?

女子だと土屋南選手ですね。後輩では一番仲が良くて、私の話もいっぱい聞いてくれます。一番熱く仕事の話をしますね。南もものすごく意識が高い。この前、住之江で初優勝したのも自分のことのようにすごくうれしく感じました。だから、今回一緒にヤングダービーに出られるのはうれしいし、楽しみです。いつかは2人でSGやGⅠを走れるようになりたい。今までGⅠを走った時に、先輩の遠藤エミさんや、小野生奈さん、守屋美穂さん、平高奈菜さん、松本晶恵さんとか同じ世代のかたたち、熱く仕事の話をして一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しているのがうらやましくて。だから、私にとってのそういう存在が南なのかなと思いますね。

―美人レーサーといわれることについては?

美人レーサー(苦笑)。レース場での自分の写真とか見たら、ブサイクだなあって思いますけどね。全くそんな意識はないです。トークショーとかの時はファッションには気を使いますけどね。母(大山博美)は「若い時は私の方がうんと美人だった」といつも言っていますね(笑)。

―母・博美さんについて

母の影響で選手になったけど、子供の頃に母のレースを見たことがないんですよ。若い時の母のレースをしている姿を全く知らない。人とは違う特殊なことをしているっていうのが、かっこいいなとは思っていましたけどね。自分が選手になって一緒にレースもできたけど、その時の母はもう引退間近だったんで。今になって思えば、母がA1の時のレースを同じレーサーとして見てみたかったですね。

―今後の理想のレーサー像は?

SGで優勝するのはもちろんだけど、ずっとその場にいて活躍できる選手になりたい。主力になりたいですね。やっぱり勝てないと面白くない(笑)。何歳で引退とかは考えていないけど、結婚して子供も欲しいとは思っています。今、相手がいないので、そんなこと考えてもしょうがないけど(笑)。ただ、結婚して子供を産むとなったら、どうしてもブランクができてしまう。だから今、行けるとこまで行って、SGで活躍できる土台を作りたい。今、SGで活躍している選手は、若い時から結果を残している人たちばかり。SGの主力の人たちが同じような時期にやったことは、自分もやらなければいけないと思っています。

―ヤングダービーへの意気込みと福岡の読者へメッセージを。

福岡ボートのファンの方は、地元なんでいい時も悪い時もずっと応援していただいているし、お客さんも多いので一番声援も大きく聞こえる。福岡に来たら、どこよりも一番頑張ろうと思えます。だから自分が走る時は、自分のレースを見に来てほしいですね。ヤングダービーも出るだけじゃなくて、自信を持って勝ちに行きたい。福岡からいっぱい応援してもらえるとうれしいです。

 

第7回ヤングダービー(プレミアムGⅠ)

開催日:9月17日(木)~22日(火・祝)
場 所:びわこボート(滋賀県大津市茶が崎1-1)

30歳未満のレーサーを対象としたプレミアムGⅠ競走で若手実力者をチェックするのに最適の大会。女子選手も出場可能。2018年の第5回には7人の女子選手が出場し、大山千広選手が女子で初めてヤングダービー優勝戦に進出した。

 

ボートレースびわこ Official Site

https://www.boatrace-biwako.jp/

 

第7回ヤングダービー(プレミアムGⅠ)

http://www.br-special.jp/202009PGI11/