【歯周病予防は手軽にできる健康管理】身近な病気、歯周病について聞いてきました
成人の約80%が発症していると言われる歯周病。細菌の感染により、歯を支える骨や歯ぐき(歯肉)が溶けてしまう病気です。中高年だけではなく、10代や20代でも罹ってしまうことも。また、歯周病は糖尿病や心臓病など、全身疾患との関連も報告されています。身近な病気なのに意外と知らない歯周病について、歯周病の専門医、医療法人木村歯科の木村英隆院長に話を伺ってきました。
歯周病を予防することが健康につながる
西鉄天神駅から徒歩2分、福岡市中央区天神1丁目の天神ツインビルにある医療法人木村歯科。木村院長が1999年、東区馬出に木村歯科歯周研究所を開業、2006年に中央区天神に移転し、医療規模の拡張に伴い、2014年に現在の場所に移転開業しました。
日本歯周病学会の歯周病専門医ほか多数の資格を持ち、歯周病関連の書籍を執筆・出版。歯科医向けの歯周治療のセミナー「木村歯科歯周治療研修会」も主催しています。
「虫歯の治療も大切ですが、口内環境を良好に保つために忘れてはいけないのは歯周病です」と木村院長。「歯ぐきが赤く腫れていたり、歯みがきの際に血が出たり、もし歯を触ってグラグラ動いたら…、すぐに歯医者で診てもらうことをおすすめします」
歯周病は口臭などの口内環境だけでなく、糖尿病や心臓病、誤嚥性肺炎、妊婦の場合は低体重児出産など、全身疾患との関連があるとされています。昨年には、九州大学の研究チームが歯周病菌と認知症の関連を発表。歯周病を治し、予防することが全身の健康につながると近年注目されています。「歯周病は歯茎の中の細菌感染。歯茎の中には血管がたくさんあり、そこに細菌がたまりやすい。歯ぐきからは、細菌が血中に入り込みやすいのです」
歯周病治療とは
「虫歯の治療は、虫歯ができた場所を削って埋めたり、神経を取って歯を被せるという歯そのもの治療ですが、歯周病の治療とはちょっと違うんです。歯周病の治療は、歯ぐきの治療。赤く腫れている場合は、しっかり診断して適切な治療をすると1週間後には腫れがひいている。いわゆる生体の治療ですので、治癒する時間が必要な治療です」
正しい歯磨きのブラッシング方法を指導して、歯の周りのプラーク・歯石を取ることが歯周病の治療の基本なのだそう。「そして定期健診で管理する。その一連の流れで治していきます」
虫歯は痛みがあるので自分で発見しやすいですが、歯周病は自覚症状がないことが多く、気付くと重症になっている人も多いのだとか。
「まずは自身の口腔内を知ることです」と木村院長。治療の前に行う口腔内の検査では、まずレントゲン撮影をして、虫歯のほか、歯ぐきや骨の状態を調べます。さらに口腔内の写真撮影、歯の模型を作り、噛み合わせや歯の位置を客観的に観察。歯周病は、プローブという針状の検査器具を使用して歯周ポケットの深さを測ったり、歯周ポケットからの出血などを調べます。「歯肉が健康であればプローブの深さは3mm以下で、プローブで歯肉をさしても出血はありません」
「いつまで通えばいいのかな」など、患者にとって通院の不安はつきもの。木村歯科では、しっかりとカウンセリングをして診断し、治療方針を共有するため、患者が納得した上で治療を進めていくとのこと。「骨や歯ぐきを再生する歯周病治療は長期間に及ぶことも多いので、ちゃんと説明することを大切にしています」
木村歯科では、自分の口臭レベルを数値で知ることができるガスクロマトグラフ方式の口臭検査も併せて実施。「自分の口の匂いは本人にはなかなか分かりません。初めて口臭検査を受けて自分の口臭にショックを受ける方もいますが、適切な治療を行えば口臭もみるみるうちに改善していきます。一緒に頑張りましょう」
虫歯や歯周病は、決して放置して治るものではありません。「一度悪くなってしまうと、どこかのタイミングで必ず治療してあげないと症状は進行するばかりで、いつか激痛を経験することになります。常日頃から、口内環境を管理していくことが大切。虫歯や痛みが無い状態でも、定期健診は必要なのです」
たとえ重度な歯周病でも、木村歯科では抜かない治療法を提案することも。「症状によっては抜歯も不正解ではないですが、治療法は一つではありません。納得できる治療をしてほしい」とセカンドオピニオンも進んで受け入れています。口コミや紹介での来院も多く、九州各県はもちろんのこと、九州以外から通う患者も多いようです。
すべては良い治療のため、先進器材を導入
院内施設は、三次元画像で骨の中の状態など、より確実な診断が可能な「歯科CT撮影装置」や、肉眼では見えない緻密な治療ができるマイクロスコープなど先進の器材を導入。
患者を治療するイスは、ドイツのトップ歯科医療機器メーカー「シロナ」製。「座り心地が良いですよ。やはり上質なものを使って、より良い治療をしたいと思うので、信頼できる機器をそろえています」
休日は趣味のプラモデルに没頭
インタビューにゆったりと落ち着いたトーンで話してくださる木村院長。歯科医を目指したきっかけを聞いてみると、子どもの頃から手先が器用だったそうで、「小学校では図画工作と算数はずっと5だった」とのこと。その手先の器用さを生かして、九州大学歯学部へ進み、歯科医を目指したのだそうです。
休日はプラモデルに夢中。「戦車を組み立てていて、塗装まで仕上げたいなと思っています。子どもの頃は、おこづかいもなく、塗料も沢山買えなかったんですけど、今は十分に買えるようになりました」と笑顔。院内には「富士山登頂認定証」も飾ってあり、「富士山に登りたくなって、代診医を無理やり(?)誘って行ってきました(笑)…めっちゃきつかった」と活発な一面も。
正しい歯みがきと定期健診は、手軽にできる健康管理
「毎日の丁寧な正しい歯みがきと、歯科医院で歯石とプラークを取ってこまめに掃除すること。それだけで良いのです。まさに手軽にできる健康管理ですよ。定期健診は、基本3~4カ月おきが理想です。治療を終えて、定期的な通院を止める方も多いですが、必ず再発します。残念ながら再発した場合は、ゼロもしくはマイナスからの再スタートとなってしまう方も少なくないです」
「毎年、レントゲンや心電図、血液検査など、体の健康診断はしますよね。それに比べて、針状の器具プローブで行う歯周病の検査は、まったく特殊な検査ではなく簡単な検査です。当医院に定期検診に来られる患者は常にプローブを用いて歯周病の検査を行っています。健康診断や毎月当たり前に通う美容院のように、ぜひ定期健診での歯周病検査もしてみてください」
企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局
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